「グローバル人材育成」の系譜
日本の「グローバル人材育成」の系譜をまとめてみた。
産業界・政権・行政が結びついてきたことが分かる。
2014年のスーパーグローバル大学創生事業の頃から「グローバル」が
完全にバズワードになった一方で、それに代わる言葉がないまま今に至っている。
個人的に社会への問題提起として大きかったのは楽天の英語公用語化で、その後2013年に
三木谷氏が大学入試にTOEFL導入を唱えた頃から、行政が一気に英語教育の転換に動き出した。
そして楽天から文科省に出向した葛城崇氏が英語教育改革プロジェクトマネージャーとなり、
学校の英語教育の大転換を実現させたのである。
西暦 | 政権 | 行政 | 内容 | 論者 |
2002年 | 自民党 | 文科省 | 『英語が使える日本人』育成のための戦略構想 | |
2007年 | 自民党 | 経産省 | 産学人材育成パートナーシップ | |
2008年 | 自民党 | 経産省 | 産学人材育成パートナーシップ(中間まとめ) | |
2009年 | 民主党 | 経産省 | 産学人材育成パートナー人材育成委員会 | |
2009年 | 民主党 | 経産省 | 産学人材育成パートナー人材育成委員会 | |
2009年 | 民主党 | 文科省 | グローバル30(30万人)13大学採択 | |
2010年 | 楽天英語公用語化宣言 | 三木谷浩 | ||
2010年 | 民主党 | 文科省 | 「産学官の連携によるグローバル人材の育成のための戦略」能力定義 (1.社会人基礎力 前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力 (2.外国語でのコミュニケーション能力 (3.異文化理解・活用力) |
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2010年 | 民主党 | 文科省 | G30 廃止 | |
2011年 | 民主党 | 文科省 | グローバル人材育成推進会議(産学官連携によるグローバル人材推進会議) Ⅰ語学力・コミュニケーション能力 Ⅱ主体性・積極性、チャレンジ精神、共著性・柔軟性、責任感・使命感 Ⅲ異文化近いと日本人のアイデンティティー このほかに、幅広い教養と深い専門性、課題発見・解決能力、チームワーク、リーダシップ、公共性・倫理観、メディアリテラシー等を挙げることができる |
鈴木寛 |
2011年 | 民主党 | 文科省 | 大学秋入学議論 グローバル人材育成支援(GGJ)採択42大学 |
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ユニクロ英語公用語化 | 柳井正 | |||
2013年 | 自民労 | 内閣 | 教育成長実行会議 | |
自民党 | 文科省 | トビタテ!留学JAPAN | ||
2014年 | 自民党 | 内閣 | 日本再興戦略(国際バカロレア) | |
自民党 | 文科省 | スーパーグローバル大学創成支援事業(文科省)、 スーパーグローバルハイスクール事業 |
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2015年 | 自民党 | 文科省 | 国立大学改革プラン(文系学部廃止) | 下村博文 |
2019年 | 自民党 | 文科省 | 2020年度大学入試英語民間試験導入断念 |
統計学 超基本①
統計の大きな目的は二つ。
1.2群以上の集計値に意味のある差があるか?→検定
2.集めたデータから原因を説明したり、結果の予測をすることかできるか?→回帰
統計を扱う上での基本用語
検定とは?
①2群の差に意味があるかの検証
・t検定:2群の平均値に有意な差はあるか?
(3群以上の場合はOne way Anova一元配置分散分析) →群間差と個体差を使用。
・カイ(χ)2乗検定:2群の割合に有意な差はあるか?
・パラメトリック検定→母集団が正規分布していると仮定(t検定、分散分析)
→平均値、標準偏差等を要約
・ノンパラメトリック検定→母集団に分布を仮定しない
→中央値、割合等を要約
帰無仮説/P値とは?
①統計の一般的なロジック
仮説を立てる
→帰無仮説(平均に差はなく、偶然に過ぎない)
対立仮説 (差がある)
→P値の値が低い。一般に5%以下。
→帰無仮説が棄却され、対立仮説が成立する。
→差は偶然ではない。
②P値のPは確率(probability)
P値 0.05=5%の確率 であれば、有意である(結論)。
P値の最大は1
因子分析とは?
①因子分析
現実に測定できる値の背後にあるものを因子と呼び、 数学的に明らかにしようとする。量的変数を扱う。
②設定する条件
・因子数
・回転
バリマックス回転(直交回転) とプロマックス回転(斜交回転)
③因子分析の手法
1)探索的因子分析(EFA) あてはまるモデルを探索
2)確証的因子分析(CFA) モデルを探索するのでなく、事前にまずモデルを作り、 構造方程式モデル(SEM; Structural Equation Model, 共分散構造分析ともいう)によって分析。
まとめ モチベーション理論の変遷
人のモチベーションが成果に影響しているのは疑いようのないことに思われる。
その時々のモチベーションで仕事への向き合い方が左右されてきた経験は多くの人にあるだろう。
モチベーションが何に起因しているのか、米国を中心に50年以上に渡り実証的研究がされてきた。
その理論の変遷をまとめてみた。
マズローの欲求段階説
提唱者 マズロー(1908ー1970)
特徴 人間の多様な欲求を5段階に整理
内容 生理的欲求→安全の欲求→社会的欲求→尊厳欲求→自己実現欲求
ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)
提唱者 F. ハーズバーグ(1950-60年)
特徴 仕事に満足感を感じる要因と不満足を感じる要因は全く別物である
内容 不満要因(衛生要因)をいくら取り除いても、満足感を引き出すことにはつながらず、不満足感を減少させる効果しかない。仕事の満足感を引き出すには「動機づけ要因」にアプローチしなくてはいけない。
マグレガーのX理論とY理論
提唱者 D.マグレガー(1950年代)
特徴 動機づけにかかわる2つの対立的な理論による人間観
内容
X理論:人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない→アメと鞭による管理
Y理論:人間は本来進んで働きたがる生き物で、自己実現のために自ら行動し、進んで問題解決をする→自主性を尊重する管理
ヴィクター・ヴルームの期待理論
提唱者 V.ヴルーム(1964)
特徴 人は期待値を計算することで合理的に行動を選択し、主観的に効用を最大にするようにする
内容
個人が報酬に高い価値を認め、努力すれば報酬が得られると感じる期待が高ければ高いほど、人はより一層努力する。
1.魅力ある成果の設定(Reward)
2.成果を実現するのに必要充分な目標値の設定(Goal)
3.目標値を実現するのに必要充分な戦略展開(Efforts)
マクレランドの欲求理論
提唱者 D.マクレランド(1976年)
特徴 人には達成動機(欲求)・権力動機(欲求)・親和動機(欲求)の3つの主要な動機ないし欲求が存在する
内容
1.達成動機(欲求):ある一定の標準に対して、達成し成功しようと努力する
2.権力動機(欲求):他の人々に、何らかの働きかけがなければ起こらない行動をさせたいという欲求
3.親和動機(欲求):友好的かつ密接な対人関係を結びたい、という欲求
エドワード・デシの内発的動機
提唱者 エドワード・デシ(1975)
特徴 外発的報酬は内発的な動機づけを低下させる
内容 パズル実験により証明。報酬・脅迫・目標の割り当て・指示命令・競争が効果を押し下げる(アンダーマイニング現象・アンダーマイニング効果)。内発的動機には、有能性・自律性・関係性の3つの欲求が影響している。
以上が主な理論の概要である。マネジメントとしては、達成・成果を感じられるようにゴール設定すること、内発的動機に働きかけるようにコミュニケーションを工夫したい。
一プレーヤーとしては、周囲の環境にモチベーションを左右されすぎないように注意したい。
4月より立教大学ビジネススクール(MBA)に通います
世の中は新コロナウイルス問題一色ですが、
本日、年末から取り組んできた大学院入試に合格しました。
提出課題は、「働き方改革」が進められる中、「幸せに働く」ことについて自分の考えを述べる、というテーマについて書きました。身近でありながら抽象度が高く、苦労しながらも、今の自分の考えを整理できたと思います。
面接では、
・志望動機
・文学部卒だが、社会科学の学びは問題ないか?
・どんな研究テーマのイメージを持っているか?
・なぜ立教なのか?
・仕事内容について
などの質問を受けました。
仕事については、かなり突っ込んだ質問もありましたが、
普段から考えていることなので、質問の意図を汲みつつ
質問された先生にとっても納得感のある回答ができたと
思います。
4月から仕事と学業の両立で大変になると思いますが、
やり抜きます。
幸せとは学び、成長できること。
小論文の書き方
小論文とはテーマにそって自分の考えを書けば良いだけ、と思ってないだろうか?ところが、普段から文章は書き慣れてつもりなのに、いざ自分で小論文を書こうとすると、とても難しく感じる人も多いはずだ。そのように感じる人も、小論文の基本型に沿って書くことを意識することで格段に小論文が書きやすくなる。本ブログでは、小論文が書きやすくなる基本型をお教えしたいと思う。
小論文とはテーマに関する自分の主張を、読み手に伝えるために書くものだ。だから、読み手にとって論旨が明快であることが大切だである。論旨が明快で分かりやすい文章は、一文一文は簡潔でありながら、段階的に主張が展開するため、どの部分が筆者の主張したいポイントか自然と伝わるものである。
そのような論旨の明快な小論文を書くためには、構成の型を押さえると良い。
1. 小論文構成の基本型
分かりやすい小論文のための鉄板の型は
序論
本論
結論
の構成である。
小論文を書くことに慣れていない人は、迷うことなくこの構成で書いてみよう。
各パートで押さえるべきポイントを以下に記す。
序論
序論はその小論文の全体像を伝えるためのパートである。序論であなたの主張まで書いてしまおう。
序論は4つの文章で書けてしまう。
1)課題提起
2)課題への賛意
3)主張
4)自身の決意
実はこのブログの出だしもこの型に沿って書いている。読み返してみよう。
3.本論
本論はあなたが主張したいことを述べ、それに対する理由や証拠を積み上げていくパートである。
本論の基本型は、主張・理由・根拠である。
主張はあなたが伝えたいこと、理由はあなたがそう思う理由、そして根拠はそれを支える事実である。ただし、多くの小論文は、正解のないテーマに関する意見を論じることになる。そのようなことについて、あなたの主張を展開すると、ともすると論点のない個人の主観的な文章になってしまうことがある。
特に抽象度の高いテーマにおいては、前提で対立仮説を整理した上で、主張・根拠を述べるようにしよう。
例)テーマ 人間はAIに仕事を奪われるか?
主張・理由・根拠のパターン
主張:完全に仕事を奪われることはない。
理由:人間にしか行えない仕事を生み出す。
根拠:過去の産業でもそのようにしてきた。
前提・主張・根拠のパターン
前提:AIに代替される職業もある。
主張:人間にしか行えない領域がある。
根拠 : 過去の産業でもそのようにしてきた。
両者で少し論理展開が違うが、対立仮説を明示した方が、議論が深まるだろう。
4.結論
結論は小論文を締め括るパートであるから、簡潔にあなたの主張を繰り返せば良い。小論文の内容を要約した上で、字数に余裕かあれば、あなたにとってそのテーマについて論じたことの意味を簡潔に述べると良い。
例) 人間はAIに仕事を奪われるか?
私自身はAI と共生しつつ、社会に対して価値を生み出す新たな仕事を創造したいと思っている。
以上のように、型に沿った文章構成を意識することで、あなた自身も小論文が書きやすくなるであろう。
最後に、文章構成以外のコツを3つ挙げるので意識して欲しい。
1 .小論文試験では主張の内容は評価されない。
評価されるのは論理構成に沿った文章が書けているかどうかだけある。だからあなたが書きやすい主張に沿って文章を組み立てれば良い。
2.文章は極力短くする。
長文は内容が伝わりにくく、かつ、論理が破綻しやすいからである。
何度も読み返す。
書き上がった後には何度も読み返そう。またおかしな点を修正した場合、修正した文章の前後で繰り返し同じことを書いていないか、繋がりが乱れていないなど、別の視点から確認しよう。
最初から上手な文章が書ける人など滅多にいない。何度も練習を繰り返すことで上達するものだ。共に頑張ろう。
まとめ リーダシップ理論の変遷
リーダーシップ理論については、経営学では基礎事項となっているけれど、ビジネスパーソンでちゃんと学んだことのある人は少ないのではないだろか。
かくいう私も、ビジネスを研究者たちが長い時間をかけてリーダーシップについて実証研究してきたことを最近になって知つた。リーダーシップについて何も理解することなくマネジメントの仕事をしてきたことに愕然とした。基本的なフレームを押さえておくことで、防げた失敗も多いのではないかと思っている。
そこで経営学におけるリーダーシップ理論の変遷をまとめた。是非、自分のリーダーシップへの理解と、あなたの環境と照らして適切なスタイルが取れているかチェックしてみよう。
特性理論(~1940年代)
- 代表的研究者 ストックデイル
- 特徴 リーダーの資質=先天的な特性
- 内容 知性・行動力・信頼感・社会的態度・人気などがリーダシップの要件
- 課題 優秀なリーダー特性は同一ではない
行動理論(1940~1960年代)
- 代表的研究者 三隅(PM理論)、ブレーク=ムートン(マネジリアル・グリッド論)
- 特徴 リーダシップの機能=課題達成と人間関係の維持のための行動
- 内容 理想的なリーダーは課題達成と人間関係維持の双方に優れている
- 課題 状況によって有効な行動は変わる。
状況適合理論(1960~1980年代)
- 代表的研究者 フィードラー(コンティンジェンシー理論)、ハウス(パス・ゴール理論)、ハーシー=ブランチャード(SL理論)
- 特徴 取るべきリーダーシップスタイル=条件により変化する
- 内容 優秀なリーダーは内外の環境によってリーダーシップスタイルを変化させている
- 課題 状況を要素分解し、取るべき行動を分析的に検討する必要がある
コンセプト理論(1980~現代)
- 代表的研究者 J.P.コッター(変革型リーダーシップ)、R.グリーンリーフ(サーバントリーダーシップ)、B.ジョージ(オーセンティック・リーダーシップ)、B.バス(トランザクショナル・リーダーシップ/トランスフォーメーショナル・リーダーシップ)
- 特徴 適材適所のリーダーシップ
ビジネス環境とリーダーの行動の適合についての研究が進み、環境に合ったスタイルが明確になっている。
一方で、環境変化のスピードが上がり、リーダー自身で自らの行動を環境に対して適合させることが求められるようになっている。
「リーダーシップに正解はない」という文の意味するものは、正解となるスタイルがない、ということである。むしろ、状況に合わせて行動して変えることは「正解」なのである。
読書メモ THE TEAM 5つの法則
書名 THE TEAM 5つの法則
著者 麻野耕司
2019年 幻冬社刊
Aim(目標設定)
Boarding(人員選定)
Communication(意思疎通)
Decision(意思決定)
Engagement(共感創造)
という 5つの法則をもとに、成功するチームとはなにかを科学的に解明した本。各法則でポイントと思った部分をまとめた。
A目標設定
チーム活動の意義を明確に言語化する。
B人員選定
適切な流動性をもたらす。
C意思疎通
適切なルールを設計し、無駄なコミュニケーションを減らす。
D意思決定
選択肢から決めるための基準に優先順位をつける。
E共感創造
メンバーのエンゲージメントを高める方程式をチームに埋め込む。
チーム運営の落とし穴(同調性バイアス、参照点バイアス)にも触れられており、基本に立ち返ることができる本。
それから、影響力の武器(ロバート・チャルディーニ)は、今の自分の課題への答えがある。
専門性
返報性
魅了性
厳格性
一貫性
著者の麻野耕司氏は今、リンクアンドモチベーションを退社し、起業準備中とのこと。どんなビジネスに挑戦するのか注目したい。