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2020年4月より国内ビジネススクールで勉強中。学習内容を中心に読書記録、徒然なる思いを記録するブログ

修論執筆記録

口頭試問を行ったのが1週間前。1年以上に渡るMBA卒業のための論文執筆を終えた。

指導教授にも大変恵まれ、自分としては納得感のある論文にすることができたと感じている。

論文タイトルは「経営者の両利きのメッセージが財務パフォーマンスに与える影響―統合報告書のテキストマイニングを用いた定量分析-」である。

記憶が残っているうちに論文の執筆経緯をまとめておきたい。

2020年秋ごろ 海外論文を中心に3週間に1本、興味のある論文を自分で探し、レジュメを作成する授業で、興味のあった両利きの経営をテーマを2,3本扱う。そのうちの一つにテキストマイニングによる経営メッセージの両利き性の分析に興味を持つ。

2021年1月 ゼミ選考のため研究計画書を執筆(A42枚くらい)。この時、明らかにしたいことの方向性は朧気ながらタイトルに近いものであった。

2021年2~3月 先行研究文献として理論的支柱となる論文を収集しつつ流し読み。

2021年4月頃 ゼミ指導の先生より論文執筆のためにはリサーチクエスチョン(RQ)が大切との教え。RQの言語化の試行錯誤。

2021年5~7月 GWはこの先に向けた貯金を行うタイミングとして、論文執筆に十分な時間を割くことを重視。テキストマイニング対象の企業選定の探索と統合報告書のDLをひたすら行った。また序章を2ページくらいで書いてみた。文章を書くことの難しさを実感。ROEを基準として企業選定を行うためのカットラインを模索。

2021年8~9月 企業選定と経営者メッセージの手法についてはほぼ固まり、重回帰分析に取り組む。このプロセスで探索的に試行錯誤してモデルを探しのは楽しかった。9月頃、採用できそうなモデルができたため、執筆を開始。

2021年10~11月 全体骨子を整え、書きやすい部分から徐々に執筆。週末ごとに部分を決めて取り組む。11月に仮提出。大学からは70%以上は書くようにとの指示。自分としても完成度は7割程度の感触。

2021年12月 完成に向けて書き進めるが、先行研究の読み込みが甘いことに気づく。序論・仮説の設定において自分の意見か、過去の研究ですでに示されたことなのか、曖昧な記述が多く、論文に立ち返る必要を実感。改めて論文を読むことで、過去の研究の多彩さと深さを知り、経営学の面白さを知る。

2022年1月 できたと思った論文も、読んでみるたびにロジックの甘さと稚拙な文章が発見され、書き直しを繰り返す。また統計作業も新たなに追加。このようなプロセスを経て1月11日に最終提出。

口頭試問では企業の方針を決めるのは、経営者か、企業文化といった立場の前提確認の質問をいくつか頂いた。初めての経営権でもあり、上手に受け答えできたか分からないが、後から振り返ると全てを本文に記述部分に基づいて回答すればよかったとの反省もある。

とはいえ、論文執筆を通して、経営者の発信が企業に及ぼす影響をデータで明らかにし、それを論文にまとめることができたことは2年間の大学院生活の集大成として悔いはない。また取り組んでみたいと思っていた統計について実際に自分で手を動かしてみる機会を持てたこともスキル面で今後の実務に活かせる意味があったと感じている。