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学習記録、徒然なる思いを記録するブログ

事例Ⅰ練習問題(株式会社 山信食産をケースに)

「グロースの翼 ~350万社の奮闘記」をベースに事例Ⅰの練習問題を作成しました。

グロースの翼~350万社の奮闘記~「新しいことをやる/山信食産(東京都江戸川区)」| BSテレ東 - YouTube

 

対象企業は江戸川区に所在する株式会社山信食品で「江戸久寿餅」のブランドを有し、各種メディアに取り上げられる元気な中小企業のようです。

創業 昭和30年 くずもちの山信食産

【与件文】

Y社は、首都圏の郊外に本拠を置く、資本金1,000万円、従業員15名の和菓子製造販売業である。1950年代に焼麩(やきふ)製造から始まった同社は、1960年代にくずもち・ところてん製造へ転換。1980年代に就任した2代目社長は、製造工程の自動ライン化を推進し、大手和菓子店等へのOEM供給に特化することで、地域トップクラスのシェアを誇る「くずもち専門業者」としての地位を築き上げた。

 しかし、食の欧米化による需要減に加え、2008年のリーマンショックが直撃。主要顧客である和菓子店の廃業が相次ぎ、Y社は存続の危機に立たされた。この窮地を救うべく、高校の英語教師であった長男(現社長)が2008年に入社、2010年に3代目社長に就任した。

 就任当時、社内は長年の受託体質により、新しい試みに消極的な空気が支配していた。社長は前職でなじみのあった若年層への訴求を目指し、業界初の「ハート形くずもち」を開発。自社ブランドでの展開を開始した。当初は売上が伸び悩んだものの、社長自らも駅改札前での催事販売に立ち、懸命に呼びかける姿に従業員も呼応。現場主導の販路拡大が進む中、百貨店幹部の目に留まり、高級パッケージへの刷新や商標登録を経て、百貨店催事の常連へと成長を遂げた。2020年には、都内老舗百貨店のエントランスに初の直営店舗を開店させるに至った。

 近年、3代目社長は自社の強みである「くず粉の加工技術」と「柔軟な企画力」を武器に、外部との協業(アライアンス)を加速させている。近隣のちゃんこ料理店とは、夏季の客数減少を補う「和スイーツメニュー」を共同開発し、パン屋とは「くず粉を活用した新食感パン」を開発するなど、伝統的な和菓子の枠を超えた新領域を開拓している。

 さらに、社長は英語教師を志した時の夢でもあったグローバルな活躍に向け、自社ブランドの海外展開を見据えている。日本の伝統食である「くずもち」を、グローバルに普及させる構想だ。しかし、現在は社長一人が企画・営業・提携交渉のすべてを担う「トップダウン型」の経営であり、既存の製造部門や店舗スタッフは日々の業務に追われている。今後のグローバル展開を見据え、社長はこれまでの成功体験を維持しつつ、持続的な成長を可能にする組織体制の構築について、中小企業診断士に相談することとした。

【設問】

第1問(配点20点)

Y社が現在進めている、地元の飲食店やパン屋といった他業種との協業(アライアンス)を推進する上での、組織的なメリットとリスクについて、それぞれ2点ずつ、合計100字以内で述べよ。

第2問(配点20点)

3代目社長就任から現在に至るまで、Y社の組織文化はどのように変容したと考えられるか。100字以内で述べよ。

第3問(配点25点)

百貨店への直営店出店や他業種との協業など、事業領域が多角化する中で、社長に集中している業務負荷を軽減し、迅速な意思決定を行うために必要な組織構造上の変革について、120字以内で助言せよ。

第4問(配点35点)

3代目社長が構想している海外展開を具体化するにあたり、現状の少人数の組織規模を維持しながら、グローバルな事業運営に対応できる人材をどのように確保・育成すべきか。組織・人事の観点から150字以内で述べよ。

【買い手向け】M&Aの成否を分ける3つの条件 

2025年日本のM&A市場は、事業承継や経営者高齢化を背景に、中小企業取引がかつてない勢いで急増している。かくいう私も、経営企画としてこの半年で3件のディールを扱ってきた。その実感と学びを交え、買い手側が特に注意すべきポイントをまとめてみたい。

M&Aは売り手と買い手の思惑が交錯し、経験値やルールの制約など様々な要因で情報の非対称性が常につきまとう。そのためリスクに対する楽観的なバイアスや、自己保身的な行動を排し、本来の目的を忘れず、時に立ち戻りつつ、粘り強く進めることが、成功への絶対条件となる。

 

M&Aはイベントではない。

 

買い手企業にとって、ターゲット企業選定からクロージングまでのプロセスは、確かに重要で、トップの関与が求められるイベントだ。

しかし、最終契約やクロージングを迎えた時点では、買い手企業にまだ何も成果はもたらされていないことに留意すべきだ。

M&Aの真の目的は

  • 買い手企業の戦略遂行の手段

  • 買収先の事業と経営統合

  • シナジー」を生み出し、個社以上の成果を上げること

に尽きる。結果にこだわり、徹底した当事者意識を持ち、数字で透明性の高い議論をすることが求められる。


 

 M&A成功の鍵はPMIの実行

ディールの「熱狂」が覚めた後に行う地道な作業、それがPMI(Post Merger Integration:経営統合プロセス)である。このPMIをいかに着実に実行するかこそが、M&Aの成否を決定づける最大要因となる。

ディール成立前のデューデリジェンス(DD)でリスク回避に全力を注ぐのと同じように、ディール成立後はシナジー実現に全力を注がなければならない。

ここからは、筆者が特に重要だと感じた「買い手目線の3つの注意点」を解説する。


 

PMI3つの注意点

1. 「PMIのスケジュール策定」が抜け落ちがち

契約締結までのスケジュールは綿密に組まれても、統合後のPMIスケジュールが抽象的になりがちだ。PMIは、イベントではなく「プロジェクト」として管理し、成果を出すために具体的なプロセスを策定する必要がある。

 

PMIの基本的なプロセス(Day0からDay100を特に重視)

 

フェーズ 期間 目的 主なアクション
フェーズ1 Day0(最終契約)〜Day1(クロージング) プロジェクト体制の確立 統合プロジェクトメンバーの正式アサイン、分科会の設置、統合プランの作成。
フェーズ2 Day1(クロージング) 仲間になったことの印象付け トップによるメッセージ発信、統合イベント開催。
フェーズ3 Day1〜Day100 緊急課題の対応と課題の洗い出し 分科会の実質的な立ち上げ、クイックウィン(早期に達成できる成果)の探索、緊急課題への対応、Day100以降の課題に優先順位付け。
フェーズ4 Day100以降 残る統合課題の解決 統合シナジーの実現、統合プランの修正と対応、ガバナンス体制の修正と対応。

特に、Day100までの初期段階で、成果を出すための基盤を作れるかが勝負となる。

 

2. Day1の迎え方の準備を怠らない

クロージング日(Day1)は、買収先企業の全従業員にとって、最大の不安と期待が交錯する日だ。この日をどのように迎え、彼らの不安を払拭し、士気向上を図れるかが、PMIの滑り出しを左右する。

  • トップからのメッセージ: 買収の背景、今後の期待、そして「仲間」として迎え入れる強い意志を直接伝えるべきだ。

  • 経営のPMI(ガバナンス): 期待したいシナジーの実現方法に即したガバナンス体制を速やかに構築する。特に、権限・責任の定義は最初が肝心。人事権を誰が握るかなど、デリケートな部分から逃げてはならない。

 

3. 買い手企業と非買収企業の「同床異夢」状態を避ける

M&Aのディールが成立しても、買い手企業と非買収企業のトップ層が、「同床異夢」状態になっていないかを常にチェックする必要がある。

  • 期待するシナジー効果(クロスセルによる売上向上、新サービス開発など)の実現ロードマップを共有できているか?

  • 人事や企業文化に関する相互理解にズレはないか?

業務のPMIにおいては、統合後の最初の100日間でスピード感を持って相互業務を理解し、課題を抽出する。そして、効果と難易度の大小で課題を優先順位付けし、できることから実現する姿勢が重要だ。

相互に尊重し、「良いところを学び、自社の強みと融合させる」というトップメッセージが、現場の行動を決定づける。

 

M&Aは「統合」からが本番

M&Aは、一連のプロセスを無事完了させることではなく、その後の統合とシナジー創出によって初めて成功と呼べる。買い手はディールの冷静と情熱の間で当事者意識を持ってPMIという地道な作業に挑む必要がある。

 


 

■ 参考文献

企業買収後の統合プロセス 著者:前田 絵理 , 菊池 庸介 中央経済社

M&A失敗の本質:人見 健、ダイアモンド社

 

【読書メモ】人材紹介ビジネスの始め方 野村真央

読書日:2025年11月29日

著者:野村真央

書籍タイトル:『人材紹介ビジネスの始め方』

発行:2025年 日刊現代

 

現在の勤務先の子会社にも小規模な人材紹介会社があるが、年間3000社も参入しているとは知らなかった。人材ビジネスの市場規模は5兆円、市場成立は6%強と、人手不足を背景に成長性の高い事業領域である。

人員不足の課題を、外国人雇用も含め自社で人員採用に乗り出すため、異業種からの新規事業としての参入も増えている。

そうした現象の理由に、人材ビジネスは機械、設備などの大きな投資が必要がなく、最低限の投資で実行できる参入障壁が低い事業と考えられていることにある。しかし、そうした見方は誤解であり、戦略や業界知識に乏しい安易な参入では成功は覚束なく、参入企業の9割は撤退を余儀なくされているという。

 

■急成長市場を制する“勝ち筋”

こうした急成長市場で伸びる人材紹介ビジネスの秘訣は自社の戦う市場の「業界」×「職種」×「年代」を選択する「領域特化戦略」である。

大手企業とのパイプの強いリクルートやパーソルのような大手企業とは別に、中小企業が成功するには自社が強みを発揮できるニッチ領域で戦うことが必要である。

 

レッドオーシャン市場

以下の領域はプレイヤーが多く、単価の低いレッドオーシャン市場である。

第二新卒・未経験者層

・新卒

・ITエンジニア

・外国人紹介

難易度は高くても年収が高く専門性の高い領域に絞ることが有効。

 

■人材紹介ビジネスを始めるための要件

人材紹介業を始めるためには厚労省大臣の許可が必要。

①法人格を持っていること(※個人事業主も可能)

②資本金500万以上

③職業紹介責任者を専任で1名以上配置

④セキュリティが担保できる事務所

リモートでの打ち合わせも当たり前な時代であり、オフィスを持たなくても実行可能なビジネスであるが、免許の獲得にはセキュアな事務所での履歴書保管などアナログな管理を求められる形式が残っている。

運営には、応募者顧客管理を行うためのCRMや、WEBサイト構築・管理など必要であり、1000万は元手として必要になる。企業への転職が成約して初めてマネタイズできるビジネスであり、最低でも立上げから3か月は「売上ゼロ」を覚悟する必要がある。

 

■これからの人材ビジネス

人材紹介は、顧客(転職先)と転職志望者のマッチングビジネスが基本であるが、まずが顧客の確保が必要。ただしこの顧客確保で苦労していては成功は程遠い。紹介先の人材要件にあった適切な人材を紹介することでの案件の積み重ねにより、顧客企業との信頼関係を構築し、リピートビジネスにすることが成功の基本である。

そのためには転職志望者のキャリアに真剣に向き合い、顧客にふさわしい人材を紹介できるエージェントだけが生き残る。転職志望者とのコミュニケーションなどを、業務の多くの部分をAIが代替できるようになっており、本当に必要とされる人材の価値が高まる。そうしたとき、そのような価値の高い人材から選ばれるような支援会社でなければ、存在価値はない時代が来るであろう。

 

R7 中小企業診断士二次試験 再現答案

10月26日に受験した二次試験の再現答案。一部記憶が曖昧なところがあるので再現率は90~95%くらい。まだ冷静に振り返る心境に慣れていないので。いったん記録としてアップのみにておく。

 

第1問

S①加工技術による内装材分野での高い評価②X事業で消費者との接点 

W①内装材事業の収益性②既存事業社員の新規事業の必要性への無理解

O①木育への教育や子育て支援の場でのニーズ増加②公的団体が活発

T内装材市場における企業間の競争激化と公共案件が政策等で不安定



第2問

取組は①県や地元の大学との関係を活かし教育施設での実証実験で知育玩具の新たなアイデアを獲得

②既存店舗のみならず大手ECサイトで出店③SNSを活用した情報発信や子育てイベントを企画・実行

④地元の大学や木工職人との関係を活かし、教育的・技術的に安心して活用できることを訴求。

 

第3問

内装材事業部と知育玩具事業部の事業部制とすべき。理由は①前者がベテラン社員の技術と経験が必要で対し

後者は市場の変化へスピードが必要でスキルセットや思考様式が異なる②子息の経験を積ませ承継準備のため。



第4問

経営理念を木材加工事業の想定のみから知育玩具を含めたものに拡大し、教育を通して人々の豊かな生活を支え、社会にお返し

すると再定義する。浸透に向けて、組織体制の変革を行いも知育玩具事業の重要性であることを説明を①社員、②業界団体、③職人、④顧客等に、直接および媒体を通じて繰り返し発信するべき。



事例Ⅱ

第1問

顧客はトップアスリートを始めとしたアスリート、中高大の部活動での所属者、保険適用外でも本格的な施術を受けたい顧客。

競合は地域密着の整骨院、格安マッサージ店、独自技術を有する整体院等で競争環境は厳しい。

自社は社長の経歴、心のケアする対話力、競技別の専門性と技術力が強みで価格と繁閑予約対応が課題。

 

第2問

対応は①空き時間のある日中の時間帯に大学運動部所属者やアスリート向けに低価格帯で提供するとともに②強豪運動部の実績を

水平展開し、日中の時間帯にスポーツチームの専属契約の受注獲得で収益獲得を図る。



第3問

B社の強みである①競技別の専門性、②不安や心の痛みのケア、③けが予防やケアの活かすため、顧客情報として

①取り組んでいる競技、②顧客の悩み不安、③けがの履歴等について判明したことをDBに蓄積し、来店時に内容に応じた施術や

定期的な店から顧客への連絡など、顧客の愛顧と来店頻度の向上を図るべき。

 

第4問

動画は中高大生が共感しやく、来店へと行動喚起する内容する。 ①従業員が出演し自身の体験を語り②発生しやすいけがとその対処法、

③誤った対応例の構成として、早期に専門家に相談することを訴求すべき。





事例Ⅲ

 

強み

①原材料の安定的な仕入れが可能②製品用途拡大による事業拡大できる経営能力③原料に再生紙を活用し循環型社会貢献に対応



弱み

①X社への経営依存②ベテラン作業員の技術やスキルに依存し技術継承が停滞③クレームへの再発防止対策不備の製造体制



第2問

①課題は製造部の残業時間の削減で改善策は顧客から仕様変更や特急対応に対応するため生産計画を短サイクル化し混乱を回避。

②課題は立ち上がりのロス削減で改善策は作業の標準化とマニュアル化を進め、教育の実施により、作業員全体の技術向上を図る。



第3問

対応策は①週次の製造計画策定を日次に変更②作業標準化し多品種生産に対応可能な生産体制②顧客の短納期要望

に対応②製造指示をホワイトボードや紙のメモからITを活用し、全社に周知し混乱を回避すべき。



第4問

取組は①食品用や医療用成否に求められる厳密な品質基準を対応するため、現状発生しているクレームに原因追及、再発防止対策を作成

②作業員の新規採用し、標準化に基づき多能工として教育し繁閑に対応③受注拡大に向けた営業体制を強化すべき。

 

【経営法務】消滅時効まとめ

 

債務不履行

不当利得

不法行為

知った時から

5年

5年

3年

権利を行使できる時から

10年

10年

20年

生命・身体に侵害される場合は知った時から5年、権利を行使できる時から20年

 

遺留分侵害請求

知った時から1年、または相続開始の開始の時から10年以内

 

 

 

 

 

【読書メモ】だから、僕たちは組織を変えていける 斉藤徹 

読書日:2025年1月7日

著者:斉藤徹

書籍タイトル:『だから、僕たちは組織を変えていける』

発行:2021年 クロスメディア・パブリッシング

 

サブタイトルの『やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』は、個人的にもチャレンジなテーマである。多くの経営幹部は、数値目標に基づき、組織を厳しく管理することで業績を上げてきた成功体験があり、マネジメントにもそうした管理的手法を求めるのは当然である。

そうした「科学的管理手法」は「時代遅れなモデル」としてマネジメント再定義を提唱した2008年に米国のハーフムーンベイに世界有数の経営学者・ビジネスリーダー(ヘンリー・ミンツバーグ、ピーター・センゲ、C.K.プラハード、ゲイリー・ハメルら)が集結し、「マネジメントの再定義」を唱え、「人間的で、クリエイティブな経営モデル」のための課題として総括を行った。本書はそうした「人」中心の組織がこれから求められるとの立場に立っている。

 

■これからの組織に求められる3つのモデル

①学習する組織

 スピード重視・顧客視点

②共感する組織

 パーパスを核とした経営システム・現場への権限移譲

③自走する組織

 内発性を重んじた人事システム・自律性を重視する価値観

 

■「学習する組織」に求められるのは「対話」

成果を発揮する要因として「メンバー」よりも「場の状態」である。

成功するチームに共通する5つの成功因子は

心理的安全性(E.エドモンドソン)

②相互信頼

③構造と明確さ

④仕事の意味

インパク

である。

 

心理的安全性を阻害する4つの不安として「無知」「無能」「否定的」「邪魔」と評価されることへの不安となり、こうした評価を避ける行動が生産性を落としていることが判明した。

ミンツバーグはMBAホルダーは論理に偏り、人への共感を失いがちと警鐘を鳴らしている。優秀な人材ほど陥りやすい、典型的な心理的安全性を壊すリーダーの思考のくせは

下記の4つである。

①完璧主義

②コントロール欲求

③過度の所属欲求

④犯人探しの本能

が挙げられている。コンプライアンス意識の強い組織では「犯人を捜し、責任を取らせ、再発を防止する」ことこそ問題解決の最善手と考え、根が深い。

 

エドモンドソンが提唱する7つのリーダーの行動

①直接話のできる親しみやすい人になる

②現在持っている知識の限界を認める

③自分もよく間違えることを積極的に示す

④参加を促す

⑤失敗は学習する機会であることを強調する

⑥具体的な言葉を使う

⑦境界(規範)を設け、その意味を伝える

 

リーダーに任命してはいけない者(ドラッカー

・人の強みよりも、弱みに目を向ける者

・何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者

・真摯さよりも頭の良さを重視する者

・部下に自分の地位を脅かされると脅威を感じる者

・自らの仕事に高い水準を設定しない者

 

■メンバーの自律性を高める

・コンフォートゾーンからラーニングゾーンへ到達するためには「グループ・フロー」の状態が必要。

・「フロー体験」を生むための「5つの条件」

①活動の目標が明確である

②機会と能力のバランスが良く、適切な難易度である

③目の前の課題に集中できる環境である

④対象への自己統制感がある

⑤成果に対する迅速なフィードバックがある

 

関係性を高めるための成功循環モデルをまわす

・人は良い関係性のもとで働きたいと思うものである。そのためには関係の質を高めるためにはコミュニケーション技術が必要。

・自己を変革のためには愛ある批評家の声を聞き「自己認識力」を高める。人間は自分の問題に関して判断が鈍る生き物である。

 

【感想】

本書を読み、自分のマネジメントスタイルも管理志向に振れているのだと痛感。これまで幾度となく「伝え方」については威圧感を与えるというフィードバックを受けてきた。強すぎる責任感は組織や自身の影響力にも逆効果になるのだということを今更ながら実感した。

しかし、「心理的安全性」や「自律性」の重視は、厳しい経営環境において有効なのかというモヤモヤは残る。資本社会は、基本的に競争原理が支配する社会である。

ファーストリテイリングキーエンスなど、成功をもてはやされる企業は心理的安全性とは程遠い体育会系の社風である。

本書の巻末付録に茨城県に拠点を持つスーパーカスミの経営トップが経営改革のため企業風土の変革に取り組みが掲載されている。本書では「取り組みに期待」というトーンで終わっているのであるが、現時点でのカスミの業績は低空飛行のままである。改革の取り組みが不完全であったからであるのか、外部からは定かではない。しかし、少子高齢化の影響で市場縮小が進む日本で、企業の持続的な成長ができるほどの「やさしい」チームが成立するか、私は甚だ疑問である。

 

 

【読書メモ】農業のマーケティング教科書(岩崎邦彦)

読書日:2025年1月4日

著者:岩崎邦彦

書籍タイトル:『農業のマーケティング教科書』

発行:2017年 日本経済新聞出版社

 

中小企業診断士の試験委員と言われる先生の本。試験対策上は事例Ⅱの販売・マーケティングにつながるトピックが多く掲載されている。馴染みの薄い農業、飲食業、観光業の事例の与件にも取り組みやすくなる効果が見込める。

 

「うまくいっている農業の特徴」

調査結果に基づき、下記の5点が挙げられている。助言問題の切り口になるポイントである。

①「消費者と交流をしている、消費者の声を聞いている」(モチベーション向上・口コミ喚起)

②「価格競争に巻き込まれにくい」(競合少ない、独自性・品質高い)

③「安定的な販売先を確保できている」(流通業との連携有効)

④「核となる商品がある」

⑤「女性の力を積極的に活用」

 

「強いブランド」の特性

①ブランドイメージが明快

②感性に訴える

③独自性がある

④価格以外の魅力で顧客を引きつける

⑤情報発生力がある

⑥口コミ発生力がある

 

「体験価値を伝える」

・農業と観光地の掛け算

「地域の農産物を売る」のではなく、「農産物のある地域を売る」考え方が必要。

農村観光に魅力を感じる人々が重視していることは、①現地の人々との出会い・交流、②自然、③学び、④体験

である。このような人々に対して「何を」「どのように」訴求するかを決めると良い。

 

・農業と飲食業の掛け算

農家レストラン」に魅力を感じる人々の特徴は、①小規模店志向、②健康志向、③食の口コミ発信源である、④グルメ志向、⑤環境志向、⑥リピート志向といった点がある。

このような人々を意識すれば、その「農家」らしい「レストラン」を作れるはずである。

 

試験対策のみならず、自身が「中小企業診断士」になった後のコンサルにも生かせる視座を得ることができる本である。