コミュニケーションの真髄は深層対話力ー仕事の技法
2016年 講談社現代新書
田坂広志著
「仕事の技法とは対話の技法であり、表層対話に留まらず、深層対話の技法を身に付けることが仕事力を飛躍的に高めることにつながる」というのが本書のエッセンスである。
深層対話力とは相手の本音や真意を感じ取る力である。
この力を高めるには追体験を行いながらの反省。ただし、1人で反省する場合には誤った解釈に陥る場合がある。優れた深層対話力の持ち主と振り返りの習慣化するのが良い。
そして本を読む場合にも、「走馬灯リーディング」と「即実践リーディング」と著者の呼ぶ自分に引きつけることが必要。
社会人なりたての段階で本書で巡り会えた若いビジネスパーソンは本当に幸運だ。
ただ自分にとってもこのタイミングで出会えたのは偶然中の必然なのだろう。今の一番の関心事がだからだ。
ただし本書の主張と相反する違和感が残る。
多くの人の記憶に残るのは言葉であること。
深層対話力を駆使すればするほど「悪意」を感じざるを得ない存在がいること。
一流の仕事人=コミュニケーターになるためには深層対話力が欠かせない。ただし、その力は限定的なものであることも認識していなければならない。