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2020年4月より国内ビジネススクールで勉強中。学習内容を中心に読書記録、徒然なる思いを記録するブログ

【読書メモ】「事業を創る人」の大研究

書名:「事業を創る人」の大研究

著者:田中聡、中原淳

出版:2018年 クロスメディア・パブリッシング

 

世の中にありそうでなく、かつ、自分の実務にも研究にも役立ちそうな本であった。

 

企業の内側から新規事業を創ることの難しさを、人と組織の側面で実証データに基づき論じている。

特に、組織よりも新規事業に関わる人の経験や情意にフォーカスされており、共感の連続、もっと言えば、自身の新規事業で苦しんだ悶絶経験がヒリヒリと思い起こされ、読み進めることが困難になる瞬間さえあった。

 

というのも、個人的に直近2年間に渡り取り組んできた新規事業が中止という、まさに生傷が半癒え時期でもあるからだ。次のステップも決まり、整理はできつつあるし、個人的なリフレクションに深みを増すことができた。しかし、今年の春から夏にかけての私は本書でいうところの「廃人」そのものだった。

 

まさに社内の前後左右の「敵」と闘い、事業化を阻まれ、世に出すことなく終結という決定がなされた。半年前には想像だにしなかったことが粛々と進められ、抵抗虚しく受け入れざるを得ないところに追い込まられた。

この様な事態に陥るメカニズムを渦中で身を置くという、ある意味貴重な体験であった。

 

幸運なことに、この先環境を変え、新天地で次のチャレンジの機会を得ることができた。本書の学びをしっかりと反芻し、生かしていきたい。

 

個人として、心にとどめておくべきは、

イデアや構想よりもむしろ「組織の中でうまく物事を進めるために他者を巻き込む力」が、新規事業の成功を左右する真のカギ。

である。

 

控えめに言って、他者にも色々なパーソナリティ、モチベーションがあることが分かった。

個のスイッチを押すことを意識してこの先また頑張っていこうと思う。

 

それから企業内の新規事業を創る人と、ゼロから事業を創る人の違いを研究してみたいと思った!

 

 

 

いつでも青春に返れる曲たち(洋楽編)

30年以上聴き続けた。

今でも体を揺らしたくなる曲たち。

 

Gun N' Roses - Sweet Child O' Mine


Guns N' Roses - Sweet Child O' Mine (Official Music Video)

 

 

REM - Whta's the frequency, Kenneth?


R.E.M. - What's The Frequency, Kenneth? (Official Music Video)

 

 

Perl Jam - Bettermen


Pearl Jam - Better Man (Live at Madison Square Garden - New York, NY 5/21/2010)

【読書メモ】マーケティング10の大罪 フィリップ・コトラー

書名:マーケティング10の大罪

著者:フィリップ・コトラー

2005年 東洋経済新報社

 

マーケティングの大家の15年前の主張が現在どれだけ有効なのか確認したく、本棚から引っ張り出した。

 

目次:マーケティング10個の罪

①市場の定義が不明確で顧客主導になっていない。

②ターゲット顧客を十分理解していない。

③競合に対する認識が不足している。

④利害関係者との関係を適切に管理できていない。

⑤新たな機会を見いだせていない。

マーケティング計画策定プロセスに問題がある。

⑦製品やサービスを十分に絞れり込めていない。

⑧ブランド構築力やコミュニケーション能力が低い。

マーケティングを効果的・効率的に推進できる組織になっていない。

⑩テクノロジーを有効に活用できていない。

 

現在でも当てはまるか?

 

全てあてはまる。

現在の組織の象徴的な誤りを備忘録として記載する。

①顧客志向を高めるための社員教育の場がない。

②顧客に関する調査は三年前にしたきり

③直接の競合相手のみに目を奪われ、間接的な競合相手やディスラプティブ・テクノロジーに注意を払っていない。

④最も優れたサプライヤーと取引できていない。

⑤ここ数年、大きな成功をもたらすような新たな機会を見いだせていない。

⑥複数の戦略を比較し、それぞれの財務的インパクトをシミュレーションする手段を持っていない。

⑦製品やサービスのクロスセリングが不得意。

⑧プロモーションプログラムごとのROIへの影響度をほとんど把握していない。

マーケティング・営業部門と他部門との関係がよくない。

⑩意思決定支援モデルがない。

 

15年前からコトラー氏はテクノロジーの活用によりマーケティングが大きく進化することを見通していたことが良くわかる。

ただし、現在コトラー氏がマーケティング4.0で唱えたような顧客の巻き込みについては触れられていない。マーケティング2.0の段階である。

まさにマーケティングがインターネット、特にSNSの進展によって大きく変化したことが良く分かる。

 

マーケティング10の大罪

 

【読書メモ】真実を見抜く分析力

書名:真実を見抜く分析力

著者:トーマス・H・ダベンポート

2014年 日経BP社刊

 

著者は「アナリティクス界のドラッカー」と称される人物。 

統計やデータ分析の習得に取り組んでいる2020年夏。データサイエンティストになることは難しいと思うが、データ分析を活用できるようにはなりたい。

 

そのための3段階・6ステップを身に付けることが必要だとされている。

Ⅰ 問題のフレーミング

  ①問題認識

  ②過去の知見レビュー

Ⅱ 問題の解決

  ③モデル化(変数選択)

  ④データ収集

Ⅲ 結果の説明と実行

  ⑤データ分析

  ⑥結果の説明と実行

 

この分析の過程で創造力も必要である。

・創造的思考の準備

・問題に浸かる

・ひらめきを待つ

・ひらめきか訪れる

すなわち、没頭とハードワークすることの必要性も唱えられている。

 

定量的分析を身につけるための適切な質問は「その仮説を裏付けるデータがありますか?」というもの。

 

ますますデータを統計を理解したうえで、効果的にコミュニケーションできる人材が求められる。

 ただし人々に説明する際に、統計手順を説明するような愚を犯してはならない。その瞬間に人々の心が離れていく。自分も半年前は統計など全く無知だったということを忘れてはならない。

 

真実を見抜く分析力  ビジネスエリートは知っているデータ活用の基礎知識

【読書メモ】世界で最もイノベーティブな組織の作り方

 書名:世界で最もイノベーティブな組織の作り方

 著者:山口周

2013年 光文社新書

 

 

 

イノベーションは新参者から生まれる。

例:フィレンツェにおけるルネサンスの開花。メディチ家が多様な人材をフィレンツェに集めた。

 

・聞き耳のリーダーシップを発揮している程度は、組織のモチベーションやコミットメントに強い相関がある。

 

・「予告された報酬が内発的動機を低下させるという」(デシ)→人に創造性を発揮させる場合、報酬は逆効果である。

例:エンロンの不正

 

イノベーションの源泉は強烈な動機である。

例:好奇心駆動型(アムンセン)VS 課題優先型エリート(スコット)

密造酒作り的な取り組み(北極点を目指すための資金に投資した投資家を欺き、南極を目指す)、準備の周到さなど、すべては動機の強さが源泉。

 

ヘイグループの研究からは、大型のイノベーションに向けて組織を動かす人材は、達成動機よりもむしろ高いパワー動機を持っている傾向が明らかになっている。

 

・開発段階で用途市場は明確化できない場合もある。

例:エジソンの蓄音機。発明時点では何に使えるのかよく分かっていなかった。

例:レヴィ=ストロースの「ブリコラージュ」(あとで役立つかもしれないという予測の能力)

 

・個人のリーダーシップが鍵

イノベーションへの旅」(ファン・デ・フェン)

①きっかけ

②プロセス

③計画・管理

④環境変化

⑤経営トップ

⑥政治

七転八倒が当たり前

 

例:ケネディキューバ危機からの学び

ケネディはCIAの強硬な主張によるピッグス湾を中止させることができなかった。

引用:

国家 の 命運 を 左右 する 重大 な 意思 決定 を 短期間 に 行わ なけれ ば なら ない という よう な 場合、 それ を 担う 立場 の 人 には 強い ストレス が かかり ます。 その ストレス から 早く 逃れる ため に、 熟慮 する こと なく 意思 決定 しよ う と し ます。 そして それ を 合理化 する ため に、 自分 たち が 行っ た 意思 決定 の 良い 側面 にばかり 目 を 向け、 真に 重要 で 本質的 な 点 を「 わざと」 見過ごし て しまう よう になり ます。

「 凝集 性 の 高い 集団 が 外部 から 閉鎖 さ れ た 状態 で 重大 な 意思 決定 を 行う 場合、 この 集団 の 意思 決定 の クオリティ を 左右 する のは リーダーシップ の あり 様 次第 だ」 という こと です。

 

ケネディは学習し、翌年の再び起きたキューバ危機に際して偉大なリーダーシップを発揮することとなる。

 

集団浅慮の要因を排除するための工夫を行った。

(排除)集団凝集性の高さ→(工夫)議論をかき回す役割を与える

(排除)外部からの孤立→(工夫)実情に詳しい専門家を入れる

(排除)リーダーシップの弊害→(工夫)あえて参加しない

(排除)問題解決のストレス→(工夫)結論をひとつにまとめる必要なし

 

 

イノベーションの普及スピード

エベレット・ロジャース(イノベーター理論)が普及スピードを決める5つの要因を特定。

①相対的優位性

②両立可能性

③複雑性

④試行可能性

⑤観察可能性

上記のうち、特に①と②の要因の影響が大きいと考えた。

 

・賢い意思決定を行う集団に見られる四つの特性

「多様性(バックグラウンドの異なる人々の集まり)」

「独立性(他者の意見に左右されない)」

「分散性(自分なりに情報を取得する手段がある)」

「集約性(意見をひとつにまとめるメカニズムの存在)」

 

・リーダーの役割は「共感力のあるビジョン」を示すこと

共感あるビジョンには「Where」、「Why」、「How」が必要である。

旧約聖書出エジプト記では、モーセヤハウェから「乳と蜜の流れる地=カナンへ行け」と示され、ブーブー言うイスラエルの民を率いていくことになります。途中で海とエジプト軍に挟まれて進退窮まったときなど「お前のせいでヒドい目に遭った。こんなことになるなら来るんじゃなかった」と言われてリーダーシップが崩壊するような状況も経験することになるわけです(中略)リーダーシップの本質の一面は「移動」にあり、その必然的結果としてリーダーは常に「行き先」を示すことが求められる。

 

 

世界で最もイノベーティブな組織の作り方 (光文社新書)

 

組織の中でイノベーションを起こすのは本当に難しい。失敗の原因を総括すると人と組織の問題に行き着く。そして人と組織の問題を要因はリーダーシップの不足に起因する。

苦い経験を繰り返さないためにも、人と組織の問題への対応を身に付けよう。 

 

【読書メモ】統計学が最強の学問である-シリーズまとめて

書名:統計学が最強の学問である データ社会を生き抜くための武器と教養

著者:西内啓

出版:ダイヤモンド社 

2013年刊 データ社会を生き抜くための武器と教養

2014年刊【実践編】データ分析のための思想と方法

2016年刊【ビジネス編】 データを利益を変える知恵とデザイン 

 

シリーズ累計50万部を超えるという統計学ブームの火付け役とも言える本。

本書が統計学に光を当てたと言っても過言ではないが、機械学習やAI全盛の時代にあって、統計学の必要性は自明であった。むしろセンセーショナルなタイトルとシンプルなブックカバーで注目を集めた、ダイヤモンド社マーケティングの勝利であろう。

(これもデータ分析の成果か?)

 

本書は統計学の理論を学び、使えるようになるための教科書ではなく、統計学の発展の歴史、社会・ビジネスでの活用について解説した読み物として捉えるのが良い。実際に身に付けるための優れた教科書の紹介もある。ただし、統計学の教科書が手薄な、様々な統計手法についての学問やビジネス場面での活用方法について、分かりやすく、幅広く触れられているので、統計学を勉強し始めたけれど、教科書のとっつきにくさで、諦めてしまいそうなときに最適である。

 

◆ビジネス編メモ

実務に生かすには、このビジネス編まで読むことが必要。段階に理解を深める構成になっており、その場で完全に理解できなくても実践編まで一通り目を通し、後からリファレンスとして活用するのが良いであろう。

 

①経営戦略のための統計学

・分散成分分析により産業要因が企業の総資本利益率のバラつきが19.6%説明できる(ポーターのSCP理論の裏付け)。しかしその後の調査では「企業要因のほうが大きい」(ジェイ・バーニーのリソースベースとビュー)という結論づけられる結果が続いた。

・経営分析のアウトカムとしては総資本利益率ROA)を用いるのが良い(シュマレンジーやルメルトの事例)

 

②人事のための統計学

・「戦略よりも人材」という真実が、ジェフリー・フェファー(スタンフォード大学の研究)や、フランク・シュミットとジョン・ハンターの採用に関する定量的研究で明らかになっている。

 

・選考方法ごとの業績説明力

ワークサンプルテスト 29%

一般認知能力テスト 26%

アセスメントセンター 14%

一般的な面接 14%⇔構造化面接 26%

このようなエビデンスに基づき、Googleは構造化面接、ワークサンプルテスト、一般認知能力テストを組み合わせて採用する方針を取っている。

 

・「非常に優秀な人材とそれ以外」と「普通以上の人材とダメな人材」を分けつ要因は別であることが多い。

 

ハイパフォーマンス・ワーク・プラクティス(HPWP)への取り組みをしている企業ほど業績が良い。

 

・ハンブリックらは経営層の能力や特徴が企業の能力や特徴の基礎づけるという上層部理論を提唱した。

 

 ③マーケティングのための統計学

・心理学者のフィッシュバインらは統合行動理論(人間が何によって行動を変えるかを明らかにする)を提唱した。態度・規範・コントール感(自信)の3つの行動制御要因が行動の背後にある。

行動を背景を探るための質問紙設計にあたってはこの統合行動理論のフレームを参考にするとよい。

 

 

◆統計基本事項メモ

Q.なぜ統計学は最強の学問なのか?

A.どんな分野の学問でも、データを集めて分析することで最速、最善の解が得られるから。

 

Q.統計学の活用で肝になる2つは?

A.  誤差と因果関係。

 

Q.因果関係の有無を明らかにする為の最も強力な手法は?

A.ランダム化比較試験(A/Bテスト)。フィッシャーが発明した。RCT(Ramdomized Cotrolled Trial)ともいう。

→疫学など、実験できないものに対してケースコントロールの手法が生み出された。

 

Q. 統計学の3つの目的は?

A. 因果関係の洞察・現状の把握・今後の予測

 

Q.適切なサンプルサイズを出すために使うものは?

A.平均と標準偏差。標準誤差<標準偏差であるサイズ。

 

Q. 因子分析とは?

A.物理的に見えない概念の背後にある要因(説明変数)を量的に測定(知能、能力など)

 

Q.因子分析の因子数はどう決める?

A.分析者が感覚で決める。収まりが良ければよい。

 

Q.クラスター分析とは?

A.相互に異なるグループに分類する手法

 

Q.ステップワイズ法とは?

A.重回帰分析を行う上で複数の説明変数から最も優秀なものを探す方法。

 

 

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である[ビジネス編]――データを利益に変える知恵とデザイン

統計学が最強の学問である[実践編]――データ分析のための思想と方法

 

 

 

 

読書メモ コトラーのマーケティング4.0

書名:コトラーマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

著者:フィリップ・コトラー+ヘルマワン・カルタジャヤ+イワン・セティアワン

訳者:藤井清美

発行:朝日新聞出版 2017年

 

原題は「Moving from traditional to Digital」。

デジタル時代のマーケティング、とりわけSNS時代への対応を論じていたマーケティング実務家のための本である。

 

・影響力のあるデジタルサブカルチャー

①若者 ②女性 ③ネティズン

 

・デジタル経済におけるマーケティング4.0

マーケティング1.0 製品中心

マーケティング2.0 顧客中心

マーケティング3.0 人間中心

マーケティング4.0 伝統的マーケティングとデジタル・マーケティングの統合

オンラインへの常時接続・顧客エンゲージメント強化

顧客の推奨を勝ち取ることが最終目標

 

◆カスタマージャーニー

Aware

Appeal

Ask

Act

Adovocate

◆デジタルマーケティングの段階

第一段階 楽しさ

第二段階 経験

第三段階 エンゲージメント

 

4P(Product, Price, Promotion, Place)の売り込みから

4C(Co-creation, Currency, Communal activation, Conversation)へ。

(例)ダイナミック・プライシング、シェアリング経済、顧客による共同格付けシステム

→顧客サービスから協働による顧客ケア

 

 

 

・ブランドの誘引力を高める人間中心のマーケティング

デジタル化により高まる人間的性格の重要性

〇ソーシャル・リスニング・・・SNSモニタリング

〇ネトノグラフィー・・・リサーチャーによる洞察

 

・人間中心のブランドの6つの特性

1 身体的魅力 (例)ブランドロゴ・デザイン

2 知性 (例)革新性

3 社交性 (例)言語的・非言語的コミュニケーションスキル

4 感情性 (例)他者との感情的つながり

5  パーソナビリティ (例)自己認識

 

・ブランドへの好奇心をかき立てるコンテンツ・マーケティング

マーケターの役割をブランドプロモーターからストーリーテラーに変える。

 

◆段階的なコンテンツ・マーケティング

①目標設定

②オーディエンス・マッピング(具体的で狭いオーディエンス)

③コンテンツの構想とプランニング(コンテンツ・マーケティング全体のストーリーで構想する)

④コンテンツの制作

⑤コンテンツの配信(自社・有料・獲得メディア)

⑥コンテンツの拡散

⑦コンテンツ・マーケティングの評価

⑧コンテンツ・マーケティングの改善

★コンテンツでカンバセーションを生み出す

 

 

 

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則