会社の業績は業界ではなく、経営資源で決まる! リソースベーストビューの考え方
【読書メモ】 企業戦略論
書名:企業戦略論【競争優位の構築と持続】
著者:ジェイ・B・バーニー 岡田正大訳
2003年 ダイヤモンド社 刊
経済学の研究では、業績を決定するモデルはSCPモデル「業界構造―企業行動―パフォーマンス(Structure- Conduct-Performance)」の関係性によるとされていた。
1990年頃より、「会社の業績は業界の競争の激しさではなく、会社の経営資源できまるのではないか?」というリソースベーストビューの考え方が提唱されるようになり、この中心となったのがオハイオ州立大学教授のバーニーである。
経営資源には
①財務資源
②物的資源
③人的資源
④組織資源が
ある。
バリューチェーン分析により経営資源やケイパビリティの特定をした上で、それらが強みなのか、弱みなのかを判断するために、 VRIO分析が有効である。
それは、以下の4つの問いからなる。
①価値(Value)があるか?
②希少性(Rarity)があるか?
③真似(Inimitablity)は難しいか?
④組織的(Organization)な仕組みか?
これらのうち最も大切なことは「真似が難しいこと」である。
強みの分析においては、価値連鎖(Value Chain)においてどの部分で希少性が高く、他社にとって真似が難しい部分があるのか、を分析することが必要である。
ただし、この強みは
・永続しない
・ 簡単にはわからない
ことにも注意が必要である。
なお、 バーニーによるとミッション・目的・戦略・戦術は以下のように定義される。
【ミッション】企業の根本的な目的
【目的】ミッションがカバーする領域において企業が達成しようとしている、具体的で測定可能な業績上のターゲット
【戦略】ミッションと目的を達成するための手段
【戦術】戦略を実行する際に取る具体的行動
RBVの考え方はMBAで学習するフレームとしては基本事項と思われるが、授業ではさらっと触れただけだったので、自分なりにまとめてみた。