AI開発の歴史と今後の展望
ここ数年でAIはすっかり日常語として定着した。
AIに人間の労働が代替されるという議論もし尽くされた感がある。
ただ、今後、AIに何ができて何ができないか、明確にはわかって
いないことに気が付いた。そこで、AIの発展の歴史を紐解くことで、
人間の知能とAIの得意な領域について整理してみよう。
第1次AIブーム
1950年代〜1960年代
探索・推論-考えるスピード
コンピューターに「探索・推論」させることによって、問題を解かせる
研究が進んだ。1956年の「ダートマス会議」で初めて「人工知能」という
概念が認識された。
→現実の問題を解くことは難しく、「トイ・プロブレム」しか解けない
ことが明らかになり、失望されることに。1970年~冬の時代。
第2次AIブーム
1980年代
知識
コンピューターに「知識」を入れるアプローチで研究が行われた。「エキスパートシステム」という専門分野(医療診断、有機化合物の特定、etc)の知識を
取り込むことで、推論を可能にした。
→常識レベルの知識(オントロジー)をコンピュータに理解させる
ことの壁。1995年~再び冬の時代。
第3次ブーム
2015年~
データから学習。WEB/ビッグデータの広がり。
・機械学習-分類
教師あり学習(入力とそれに対応するべき出力ラベルの出力関数を生成)
教師なし学習(入力のみからモデルを構築。クラスタリングや相関ルール抽出)
人間が現実世界の対象物を観察し、「どこに注目」するかを見ぬき( 特徴量
を取り出して)、モデルを構築。モデル化は人間が行う(最大の問題)。
Deep Learning(50年来のブレイクスルー)
データをもとに、どこに注目すべきかという「特徴量」が自動的に獲得。
Auto-encoder-出力を入力と全く同じにしたニューラルネットワーク。
人間の視神経に近い。
今後の発展
認識から、「行動」、「言語」へ。
2022 家事・介護
2025 翻訳
2030 教育
前倒しの可能性大。
参考資料
東京大学 松尾豊(第1回:人工知能䛾概要とディープラーニングの意義)