読書メモ ザ・会社改造
ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ
三枝匡 著
2016年 日本経済新聞出版社刊
12年間に渡ってミスミの経営者として会社を変革させ、グローバル企業に成長させた筆者の経験に基づくドラマ。三部作と言われた「V字回復の経営シリーズ」では、ミドルリーダーの短期的な改革がテーマであったが、本書は経営者の長期的な経営改革の取り組みが描かれている。
自身のリーダーシップの無能さを痛烈に指摘され、心が痛むフレーズが次々と現れる。
特に、中国事業の立ち上げについて、「仕事の複雑性と計画の現実性を見誤ったことで生まれた自縄自縛的な死の谷であった」については、まさに今の自身の状況そのものだ。何度も本を閉じ、苦しくも自分の状況に思いを巡らせながら読み進めた。
経営者候補となる人材が、真の経営者人材となるためには、修羅場を乗り越え成功体験を掴むことだという著者の一貫した主張がブレず伝わってくる。
組織の風土・業績を根本から改革するために必要な思考、行動が濃密に詰まった本である。