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2020年4月より国内ビジネススクールで勉強中。学習内容を中心に読書記録、徒然なる思いを記録するブログ

読書記録「イシューから始めよ」

イシューからはじめよ知的生産の「シンプルな本質」

安宅和人

2010年英治出版

 


課題解決の教科書のような本。著者はマッキンゼーを経て、SFC教授とYahooのCSOを兼務している才人。

 


出だしから、シャープな言葉で身につまされる警句のオンパレードである。

ー考えるとは、悩むことではなく、答えが出ることに向き合うことである。

ーバリューのある仕事に集中しなければ、成果を上げることができない。

そして本書にはバリューのある仕事をするための方法論が詰まっている。

 


本書では、本質的、かつ、重要度の高い課題をイシューと呼ぶ。何をイシューとするかで成果が決まると言っても過言ではない。

そして良いイシューには3つの条件がある。

1.本質的な選択肢である=答えを出す質問を設定する

2.深い仮説がある=スタンスを取る

3.答えを出せる

このようなイシューは本当に限られている

 


イシュー特定のための情報収集には、一次情報を得る、基本情報のスキャンする、などがあるが、同時に「集め過ぎない・知り過ぎない」ことも大切。

 


イシュー特定のための5つのアプローチ。ここは本当に実用的。

1.変数を削る

2.視覚化する

3.最終形からたどる

4.So what?を繰り返す

5.極端な事例を考える

 


イシューを定めたら、分析である。その手順は

1 イシューを分解する

2 イシュー起点でストーリーラインを組み立てる

3 ストーリーを絵コンテにする

で行う。

 


分析を進めるにあたってしてはいけないことは、いきなり分析に取り掛かる(飛び込む)こと。

「空(前提)・雨(課題の深堀)・傘(結論)」で考える。

よく見かける分析風な議論として

雨で終わっていること(傘が無い)、

いきなり空から傘だけが提示される、

がある。これらは時間のムダになるので、今すぐやめよう。

 


仕事においては、分析はアウトプットとして伝えなければならない。

ストーリーラインと論理構造は入念にチェックしつつ、エレベーターテストに備えておく必要がある。エレベーターテストとは

・結論をすみやかに説明できること

・細部をどこから訊かれても説明できること

である。この2つは、説得の成否を分ける大きな要素である。

 


繰り返しになるが「イシューを見極める=答えを出すべきものの本質を定めること」が仕事において大切なことである。

 


今、自分が取り組んでいる事業開発の仕事に活かせるのはもちろん、最近考えている大学院進学に向けて研究計画のテーマ設定のために重要な示唆を得ることができた。