哲学はじわじわと効く
私は大学で哲学を専攻した。
20年以上、その学びの内容の役立ちを感じることはなかった。むしろ、実用性からかけ離れた内容であることに価値があると思っていた。
またある時は法律や会計など社会で求められる知識・技能を大学時代に身につけた方が良かったのでは、と後悔することもあった。
しかし最近になり、哲学を学んだことも無駄ではなかったと思うようになった。
それは書物の中の記載内容を実生活になぞらえて考えられるようになったからであろう。
特に自分が学んだヘーゲルの弁証法思考は普遍的な価値があると思う。
逆に哲学を専攻したために、苦労したこともある。それは一文が長い文章を書く癖がついてしまったこと。長くて難解な文章ばかりを読むうちに知らず知らず自分の書く文章まで長くなってしまった。今はその悪癖を取り除こうと意識して取り組んでいる(このプロセスも弁証法的だ)。
歴史を賢人の思考は、人間への深い洞察に基づいているため、世の中を生きていくための学びがたくさんある。