ペンタゴン・ペーパーズを観よ
アマゾンプライムで通勤鑑賞。
2017年 S.スピルバーグ監督作品
国務長官マクマナマンによって指示されたものの国家機密として明かされていなかったベトナム戦争の報告文書の存在がNY・タイムズによって暴かれる。同文書をワシントン・ポストも入手し、編集人キャサリン・グラハムと編集主幹ベン・ブラッドリーは報道の自由と株式上場の取消やニクソン政権からの訴訟などのリスクとの狭間に苦悩しながらも、報道機関としての存在意義を守るため前者を選択するストーリー。
2017年アカデミー作品賞受賞。
まさに今の日本でも起きている権力者による国民への欺き。権力者は自らの為政の基盤を固めるため、都合の悪い情報を隠すのが世の常。一方で、国民の知る権利を守るためには報道機関が権力におもねることなく、事実を調べ、知らしめなくてはならない。本作の、当時のアメリカでは、議論はあっても良識ある判断により真実を追いかけ、歴代の権力者たちの欺瞞を告白し、それによって世論が高まり、ベトナム戦争が終結に向かうこととなった。
先日、宝島社が朝日・読売の一面広告で「敵は、嘘。」「嘘つきは、戦争の始まり。」という意見広告を掲載した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000795.000005069.html
全くもってその通りだ。
マスコミは権力と適切な距離を置き、報道しなくてはならない。また嘘や隠蔽が報道された場合は、市民は怒りの声を上げなければならない。そうでなければ権力者は嘘や隠蔽も受け入れられたものとされてしまうからだ。
次々と、しかも平然と嘘を重ねる日本の現政権を野放しにしてはならない。
多くの人に、特に報道に関わる人にはぜひこの作品を観てもらいたい。
抗議すべき時に沈黙するのは卑怯者である。
エラ・W・ウィルコックス