ハーバード流リーダシップ論の王道 『最難関のリーダーシップ』
著者;ロナルド・A・ハイフェッツ、マーティ・リンスキー
出版社;英治出版
2017年9月
NHKで放映された『ハーバード白熱教室』のハイフェッツ教授によるリーダシップ論。放映されたワークショップはYouTubeでも観ることができる。
日本の経営者の「我がリーダシップ論」と異なり、アメリカでは実践的、かつ体系的にアカデミアで扱われていることに日米の違いを感じる。前に紹介したM・ワトキンスの『90日で成果を出すリーダー』同様、組織に合った戦略を立てられる様に事前のリサーチを重んじるのがハーバード流なのであろうか。併せて読むことで組織への関わり方や変革の仕方をより強く意識づけられる。
以下は学びの抜粋
大切な何かを成し遂げたいという強い思いがあるときに 、自分の役割や立場を超えて 、周りの人たちの持つ力を引き出しながら 、自らもリスクをとって課題を前進させること 。 これを 「アダプティブ ・リ ーダ ーシップ 」と呼ぶ。
・大切なのはまず診断し、それから実行すること。多くの人は診断の前に実行してしまい、失敗する。
・ リ ーダ ーシップで失敗する最大の原因は 、 「適応課題 」を 「技術的問題 」として対処してしまうこと。技術的課題はすでに解決策がわかっており、既存の知識で実行可能なもの。一方で、適応課題は、人びとの優先事項、信念、習慣、忠誠心を変えなければ対処できない。
・リーダシップには意志とスキルが不可欠である。頭と心の両方を全身全霊で働かせなければならない。つまり、どうしても達成したい、という目標のためでなくてはリーダーシップを発揮する意味はないのだ。
・アダプティブリーダシップの実践とは、同じシステムに属する人々に、時に歓迎されないことがあっても、価値のある課題に対処するために介入することである。そしてどのように介入するかをデザインすることが必要だ。
・システムに働きかけるためには、自分自身もシステムとして認識し、どの様な忠誠心、トリガーで行動しているのかを知ることが必要である。