なぜ人材育成が重要か?
リーダーとして常に心を配り、実行しなくてはらならないのは人を育てることである。
以下は私が人材育成が重要であると考える3つの理由である。
①メンバーの仕事へのモチベーションや組織へのエンゲージメント
②次代のリーダー育成
③組織の環境適応力の向上
それぞれを解説する。
①メンバーの仕事へのモチベーションや組織へのエンゲージメント
メンバーにとっては、自身の望むキャリアや報酬が組織にいることで得られるかということが仕事へのモチベーションや組織へのエンゲージメントに大きく関わる。職務の幅やレベルを拡げるための挑戦機会を与えたり、日ごろの職務について、メンバーの人材育成の観点で適切なフィードバックをしたりすることは重要なリーダーの役割である。この役割がうまく果たせていないと、メンバーのモチベーション・エンゲージメントが下がり、生産性の低下、退職者の増加等を招くこととなる。
②次代のリーダー育成
リーダーの大切な役割は次のリーダーを育てることである。自身に代わるリーダーを育てない限り、現状の役割を担い続けざるを得ず、自身が次のステージに上がり、成長機会を得ることができなくなる。リーダー育成するためには積極的に権限移譲することが必要である。また、任せる範囲を明確にしてリスクを管理しつつ、それについては安易に口を出さず、裁量を与えることも重要である。このようにリーダーがリーダーを育てる仕組みができれば組織の経営に当事者意識を持った人材を多数生み出すことが可能になる。
③組織の環境適応力の向上
社会・技術・競合等の自社を取り巻く環境変化が激しい状況においては、組織全体としてビジネス環境に適合し続け、変化し続けることが求められる。そのためには、リーダー自身も含め、組織に属する全員が環境変化にアンテナを張り、適合の方法を探求することが必要である。リーダーが危機感を訴えても、メンバーが自律的に変化し、新しいビジネスを生み出せなければ組織は生存できない。このようにメンバーが自律的にマインドやスキルを高められるような組織風土を作ることが人材育成の重要な点である。
世界中の子供にワクワクする気持ちを
我が家の中2の息子。
まさに思春期真っ只中である。
先日の出来事。
生徒会役員としてユニセフの募金の呼びかけをすることになったらしい。
まず自分のお金から募金する。お小遣いの中で小銭としてあった51円を出すという。
募金にあたり、自分の想いも付け加え、紙に書く。
「世界中の子供に○○を」
この○○に何かを入れるらしい。
普通に思いつくのは、
教育、医療、食料…
などだろう。
我が息子が入れた言葉。
ワクワク
直後は、変わったセンスだなぁ、と笑い話にしていた。
しかし、このワクワクの感覚。究極の幸せだろう。
次にどんな展開があるのか、楽しみで仕方がない感覚。
世界中の人が未来に希望を持てるようになったらどんな素晴らしい世界かと思う。
オムロン竹林ーさんの講話がすごく良かったという話
授業のゲストスピーカーとして登壇されたオムロンの竹林一さんのお話が大変面白かった。Zoomでの講和だったが、豪快さと繊細さを持ち合わせた人物像が伝わってきた。
マーケティングの授業でのイノベーションの起こし方がテーマだった。
まず、イノベーションを起こすための組織構成として、多様性に富んだ人材が必要。
この人材の多様性を「起承転結」タイプで表現していた。
「起」は0→1を仕掛ける人材
「承」はアイディアを構想化できる人材
「転」はロジック・戦略に長けた人材
「結」は実行力に長けた人材
を意味する。
伝統的な組織では、「転結」の部分のみが重要視されがちで、従来の勝ちパターンに基づくKPIや、オペレーションの完成度を高められる人材が重んじられ、イノベーションが生まれにくくなる傾向がある。だからこし、「起承」の人材を重用することがイノベーションを起こすポイントだ。
竹林さんは自身はエンジニアとしてキャリアを開始したので、転結が得意なタイプだったが、次第に「承」の身に付けていったとのこと。
さらにもう一点、竹林さんが強調していたのが「軸を変える」ということ。上記の「起承転結」というコンセプトも、人材を新しい「切り口=軸」で切ることで、受け手に分かりやすく提示することに主眼がある。
この「軸を変える」発想は、一朝一夕にできるようになるものではないが、名コピーなども参考になるという。
例:「キレがあるけど、コクもある」「一生も一瞬も美しく」
氏の人柄、努力によって身に付けられた引き出しの多さ、ユーモアなど大変惹きこまれる話であった。
分かりやすい文章を書きたいあなたへ 上阪徹さんの文章術
月に1冊本を書き、ブックライターという肩書を作った上阪徹氏。
伝わる文章を書くコツは、事実・数字・エピソードを入れることだそうです。
上阪徹・小山龍介|在宅勤務時代の ライティングスキルー副業・自己表現
「素材」さえあれば文章は書ける。いい文章を書こうなんて思う必要はない。
良い素材とは「相手が読みたくなる」もの。だから「相手に伝えたい」、「教えたい」と思う素材を探すのが一番、大事である、とのこと。
こんなためになるサイトが無料で読めるなんてすごい時代です。
良きリーダーシップ・チームづくりを学べる映画
Amazon Primeで観た映画スポットライト。
2015年の アカデミー賞で作品賞・脚本賞を受賞した作品である。
監督:トム・マッカーシー
私がこの作品が好きなのは、良きリーダーシップと共に良きフォロワーシップを学べる映画であるから。
特に好きなシーンを2つ挙げたい。
① 新編集局長(バロン)
ボストン・グローブ社の編集局長に新たに就任。ボストンに来るにあたって野球好きでともないのにバンビーノの呪いについてのほんを読んだり、就任後初の会議で、自己紹介申し上げますそこそこに、参加者の自己紹介を求める人物である。彼が過去の不作為を悔やむ部下に向かってこう言う。
「過去については何とも言えないが、君たちは素晴らしい仕事をしてくれた。」
部下の過去の失敗も受容しつつ、それを非難も肯定しない。しかし、今ここについてはしっかりと称賛し、チームに再び力を与えているのである。
素晴らしいリーダーシップだ。
② 報道チームのリーダー(ロビー)とチームメンバーたち
個人のスキャンダルを取り上げるのではなく、システム全体の腐敗であることを目指す。しかし、部下のマイクは自身の懸命により幹部のスキャンダルを掴み、それを一刻も早く報道することで、明るみにしたいと主張する。どちらも正義感からの主張である。熱血漢のマイクは上司のロビーに激しく罵りながら、主張する。ロビーは黙って聞いた後に「気が済んだか?(Finished?)」とのみ応える。チームメンバーもそれぞれの主張の根拠が分かっているから何も言わない。ロビーのリーダーとしてのブレなさも素晴らしいし、マイクをフォローするチームメンバーも素晴らしい。
チームに集まるメンバーがそれぞれのミッションに基づいて行動する組織づくりに関する映画である。そしてこのような組織こそが偉大なことを成し遂げるのだ。
あなたのミッション・ビジョン・バリューを探すための本1
MBA在学期間って経営理論をしっかりと学ぶとともに、自分のミッション・ビジョン・バリューを確立する場でもあるのだと最近思うようになった。改めて、その類の名著を読み、自らのミッション・ヴィジョン・バリューの言語化に取り組んでみようと思う。
【読書メモ】 ビジョナリーカンパニー②
書名:ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則
著者:ジェームズ・C・コリンズ 山岡洋一訳
2001年 日経BP社 刊
Good CompamyからGreat Companyへと飛躍した11社への調査に基づき考察された法則が記された書。偉大な企業への変化の過程は
①規律ある人材
②規律ある考え
③規律ある行動
を確立する3段階に分けられる、とする。
まず人を選び、現実を直視するのが準備段階である。そして、窮鼠(ハリネズミ)の概念と規律の文化により突破していく。
①本書では偉大な企業の経営者は例外なく、第5水準のリーダシップを有しているとする。この第5水準のリーダーシップとは、「職業人としての意志の強さ」と「個人としての謙虚さ」の二面性を有していることだとされる。
ここでの分類は
第1水準 有能な個人
第2水準 組織に寄与する個人
第3水準 有能な管理者
第4水準 有能な経営者
第5水準 謙虚さと意志の強さを兼ね備えた経営者
となる。
まず、何をするかより、経営陣に「誰をバスに乗せるか?」を決め、ふさわしくない人はバスから降ろすことが重要である。バスから降ろすのは、まさに組織のミッション・ビジョン・バリューへの共感が持てない人である。
② 針鼠の概念
針鼠とは狐のように狡猾ですばしこくはないが、決して負けない強さを持つ存在の例えの概念である。
以下の3つが重なる部分に関する深い洞察が必要である。
1 自社が世界一になれる部分
2 経済的原動力になるもの
3 情熱をもって取り組めるもの
③規律ある行動とは、この3つの円が重なる部分に熱狂的といえる人たちが集まる企業文化を作り上げることにある。
そして偉大な企業への転換は、外部では劇的に急激に見えたとしても、組織内部ではゆっくりと進んでいく。ただし、この転換が勢いがつくと「弾み車効果」と呼ばれるほどに、組織に勢いと力を与えるものとなる。
本書は飛躍する企業経営についての分析の書であるとともに、優れたリーダーシップについての解説の書である。
会社の業績は業界ではなく、経営資源で決まる! リソースベーストビューの考え方
【読書メモ】 企業戦略論
書名:企業戦略論【競争優位の構築と持続】
著者:ジェイ・B・バーニー 岡田正大訳
2003年 ダイヤモンド社 刊
経済学の研究では、業績を決定するモデルはSCPモデル「業界構造―企業行動―パフォーマンス(Structure- Conduct-Performance)」の関係性によるとされていた。
1990年頃より、「会社の業績は業界の競争の激しさではなく、会社の経営資源できまるのではないか?」というリソースベーストビューの考え方が提唱されるようになり、この中心となったのがオハイオ州立大学教授のバーニーである。
経営資源には
①財務資源
②物的資源
③人的資源
④組織資源が
ある。
バリューチェーン分析により経営資源やケイパビリティの特定をした上で、それらが強みなのか、弱みなのかを判断するために、 VRIO分析が有効である。
それは、以下の4つの問いからなる。
①価値(Value)があるか?
②希少性(Rarity)があるか?
③真似(Inimitablity)は難しいか?
④組織的(Organization)な仕組みか?
これらのうち最も大切なことは「真似が難しいこと」である。
強みの分析においては、価値連鎖(Value Chain)においてどの部分で希少性が高く、他社にとって真似が難しい部分があるのか、を分析することが必要である。
ただし、この強みは
・永続しない
・ 簡単にはわからない
ことにも注意が必要である。
なお、 バーニーによるとミッション・目的・戦略・戦術は以下のように定義される。
【ミッション】企業の根本的な目的
【目的】ミッションがカバーする領域において企業が達成しようとしている、具体的で測定可能な業績上のターゲット
【戦略】ミッションと目的を達成するための手段
【戦術】戦略を実行する際に取る具体的行動
RBVの考え方はMBAで学習するフレームとしては基本事項と思われるが、授業ではさらっと触れただけだったので、自分なりにまとめてみた。